私が天体物理を専攻にした経緯

やっと寮について一息つきました、つくまでお友達にバッタリ会って話し込んでしまったりとかキャンパスの桜の様子を見に行ったりとかでなかなか辿り着かなかったのです。それにしてもこのあいだまで蕾だったのにわずか10日くらいで葉桜になってしまい、ショックでした。「桜は散っているのが一番美しい」とは日本の美学ですが、春休み中に散ってしまったので・・・

 

さて、春、春と言えば文理選択ですね!!アメリカに来る前から、数え切れない程受けた質問「なんで天体物理を専攻するって決めたの?」への答えも、もとを辿れば文理選択からでした、そう考えると、結構人生の一大イベント(かもしれない)です。なにしろ私は日本人で女子で3月生まれで両親は両方ともすごい文科系(母:英文、父:経営)とあまり学部のイメージに合わないからか、本当にしょっちゅうこの質問をされます。最近なんかは「だってー、星ってキラキラしてて綺麗でしょう?」なーんて乙女みたいな答え方をしてしまいます笑

 

なんだか前置きが長くなってしまいましたが、私の高校時代のクラスメイトたちの所属する学部、専攻する分野の決め方は大きく分けて二つありました。

1、先に目標、夢があってそれを叶える為に一番適した学部にいく

「小さい頃からお医者さんになりたかったから医学部志望」や「弁護士になりたいから法学部」というような決め方です。この決め方はカッコイイですし、非常に合理的ですが極めて少数派でした。

2、先ず文科系か理科系かを決めて、それから専攻を絞っていく

私はご多分漏れずにこのパターンでした。この決め方だとじっくりと自分のやりたいことを見極められるのですが、その分時間がかかるので実践するなら一日でもお早い方が良いです!私の場合5ステップ踏みました、

ステップ1、文科か理科か

高校1年生最後に受けた実力試験の数学でなぜかクラス平均の倍の点数をとってしまったそうなので(そのテストは定期テストとちがって返却されなかったのです)私に選択権はありませんでした、先生方や両親になだめすかされ、あっという間に理系クラスに登録されました。

ステップ2、生物か物理か

コレに関しては選択権ありました!といってもまだどの学部のこともよく知らなかったし、どれも一様に面白そうにみえたので、軽率に物理にしました。なぜなら「物理選択の方が高いレベルの数学の授業を受けられる」というので、もし途中で他の分野に興味が移っても一番レベルの高い授業を受けていれば数学で困ることはないだろうと思ったからです。

ステップ3、面白い!と思えるもの探し

さて、選択科目を決めたら実際に授業を受ける前に教科書を開いて、ざっと単元に目を通しましょう。その中で「あ、これ面白いかも」と思える分野を探します、ちなみに私は力学、複数の物体間の力の関係が好きでしたが、波動も好きで、電磁気はイマイチのれませんでした。

ステップ4、気に入った分野を掘り下げる

力学、複数の物体間の力の関係がすきとわかったはいいけれど、その分野は基礎の基礎なわけだし、具体的にどんな発展性があるのだろうと思ったので、教科担当の先生にその旨を質問しに行きました。すると、「宇宙」というキーワードと宇宙の現象に地球上で発見された物理法則で説明をつけるという学問、「天文学」の存在、さらに説明がつく現象もあればまだ未確定だというものもある、とにかく幅が広い学問だということを知り一気に興味を持ちました。

ステップ5、専攻を決めよう!

ここまできたら勝ったも同然です。「~学」というものは一般的に細分化されており、そこからきちんと自分の興味にピッタリとはいかなくても最大限合うものを見つけることはとっても大事です!インターネットで調べたり、JAXAが高校生向けに企画していたイベントに足を運び、実際に研究員の方にお話伺ったりしましたが一番のオススメは図書館です。なにしろ気になる学科のコーナーにいけばズラーッと専門書が並んでいるのですから、(しかも小説等と比べて読む人が少ないから綺麗!)そこから各分野一冊二冊読んでみて一番自分が興味を持てる専攻を見つけましょう。

ちなみに私の印象に残っている参考書は

 

Comets: Creators and Destroyers (English Edition)

Comets: Creators and Destroyers (English Edition)

 

 

 

隕石コレクター―鉱物学、岩石学、天文学が解き明かす「宇宙からの石」

隕石コレクター―鉱物学、岩石学、天文学が解き明かす「宇宙からの石」

 

 

 

人工衛星をつくる−設計から打ち上げまで−

人工衛星をつくる−設計から打ち上げまで−

 

 の2冊です、ご参考までにご紹介すると、上の洋書はあのシューメーカー・レヴィ第9彗星という初めて惑星に衝突したところが観測された彗星を発見されたレヴィさんが彗星の歴史、内部、それに脅威について詳しく説明された一冊です。今でこそ「君の名は。」(冬休みに劇場で見ました!)で彗星の地球に及ぼしかねない脅威について少し関心がある方が増えたのではないかと思いますが、私はこの本を読んで彗星、及び星の軌道について興味を持ちました。邦題は「彗星への旅」となかなかお洒落なので是非。

 

隕石コレクターの書は、非常に丁寧に沢山の種類の隕石を研究されていて、宇宙の神秘どちらかというと浪漫を感じました。確か初版には本物の隕石が付録でついていた筈。

 

最後のド直球な題名の本にはそのとおりに設計から打ち上げまで詳細なプロセスが紹介されており、人工衛星を身近に感じることができました。

アレ?読んだ本の紹介になってしまいました、本当はまだまだ良書はいっぱいあるのですが、それはまた別の機会に!

 

 

どうでしょうか?ご参考になりましたら嬉しいです。ステップ1~3まではご自身で行うほうが良いと思います、なぜならこれらのステップでは自分と向き合うことがなにより大切だからです。逆に4,5は色々な専門家の方にお話をきいたりアドバイスを頂くのが効果的です。なぜなら専門家の方々はこのようなステップを踏んだ上に現役でその分野でご活躍されているので。ついでにステップ5がおそらく一番時間がかかるかと思います、私はひと夏費やしました!のでくれぐれもお早目の行動をオススメします!!